ども、くろねこです。
突然ですが
- 今もらえる90万円
- 1年後にもらえる100万円
どちらが欲しいですか?
多くの人は今すぐ90万円をもらう方を選びます。数字だけで考えると1年我慢するだけで10万円増えるので、1年後の100万円の方がお得です。年利で計算しても11%。かなりお得です。
それでも多くの人は90万円を選ぶ。これは現在志向バイアスと呼ばれる人間の行動心理の一つです。
もし、あなたが行動しようと思っても誘惑に負けて何も続かない、そんな悩みを抱えているのであれば、現在志向バイアスのせいです。
これはあなたに限らず、人間の潜在意識として働いているもので、誰にでも訪れます。潜在意識部分なので、コントロールできるものではないのですが、事前に認識しておくことで対策は打てます。
この記事では現在志向バイアスについて説明するとともに、対策についてもお話ししていきます。
- 現在志向バイアスとは?
- 現在志向バイアスを回避する方法
現在志向バイアスとは?
人間は将来の大きな利益よりも目の前の小さな利益を優先する傾向にあります。
冒頭の質問もそうです。1年後の大きな利益(100万円)よりも目の前の小さな利益(90万円)を優先します。
上記のように確定している利益であっても、目の前の小さな利益を優先するので、不確定だとなおさらです。
友達と飲みに行くのを我慢して家でブログを書く。旅行を我慢して、家で動画を撮る。
ブログを書いても収益になるか分かりません、動画を撮っても見てもらえるか分かりません。
将来の不確定要素を追うのはしんどい、だから多くの人は飲み会に行くし、旅行に行きます。
今あなたがその選択をしていてもそれは普通です。他の人も大体は同じような選択をしています。
まずは現状認識がスタート地点。
現状志向バイアスは生き方に影響を与える
1960年代後半〜1970年台前半にかけてスタンフォード大学のミシェル教授が行ったマシュマロ実験というものを紹介します。
マシュマロ実験とは
子ども186人を対象に行われた実験で、何もない机と椅子だけの部屋に子供たちを案内する。机の上には皿があり、マシュマロが一個載っている。実験者は「私はちょっと用がある。それはキミにあげるけど、私が戻ってくるまで15分の間食べるのを我慢してたら、マシュマロをもうひとつあげる。私がいない間にそれを食べたら、ふたつ目はなしだよ」と言って部屋を出ていく。その状況下において、最後まで我慢し通して2個目のマシュマロを手に入れた子どもは、1/3ほどであった。
幼少期においても現在志向バイアスは働く、ということが証明された実験です。
で、大事なのがこの後。
十数年後にこの子供たちに対して追跡調査を行ったところ、我慢できずにマシュマロを食べてしまった子は対人関係がうまくいかず、ストレスに弱い大人に育っていたのに対し、
我慢できた子は、ストレスに強く、ストレス耐性のある大人へと成長している傾向にありました。
この実験から、自分の感情をいかに抑えるかが人生の成功の鍵になることが証明されています。
現状志向バイアスは時間軸の影響を受ける
冒頭の質問をお金を受け取る時期を変えてみましょう。
- 10年後に受け取れる90万円
- 11年後に受け取れる100万円
受け取れる金額も、時期のズレ幅も先ほどと同じです。ですが、この質問の場合、多くの人が「11年後に受け取れる100万円」を選びます。
これは「今すぐ受け取れる小さな利益」がなくなったためです。
どちらを受け取りにしても10年はかかる。なら10年だろうが11年だろうが同じ。それが人間の思考回路です。
我慢強い人ほど、この時間軸が短くても大丈夫です。「1年後の90万円と2年後の100万円」でも100万円を選べます。
我慢強い人ほど、価値を受け取れるのが遠い未来でも受け取れる価値の減少は感じません。ですが、我慢できない人は未来に受け取る価値を小さく見積もる傾向にあります。
画面できない人は目の前の出来事ほど大きく感じてしまいます。
ビジネスはコストと報酬に時差がある
ほとんどのビジネスにおいて、やった分だけすぐに結果が出るなんてことはありません。長い下積みがあって、その間労力を注ぎ込んである時急に爆発します。
ビジネスにおいては我慢の期間を乗り越えられるかが勝負です。
ビジネスの世界においてよく言われるのが
「すぐに稼げるものほど、すぐに稼げなくなる」
ということです。
逆にしっかりと時間をかけて育て上げたものほど、継続的に稼げるようになります。これは真理。
だからビジネスで稼ごうとする場合、最初は報酬なしで大きな労力をかける必要があります。報酬が得られるのは労力をかけ続けたしばらく後。ここに時間差があるから多くの人が脱落してしまいます。
現在志向バイアスに打ち勝つ方法
①現在志向バイアスを想定して、シミュレーションしておくこと
起こるものはどうしようもないので、あらかじめ回避策を用意しておくことです。例えばダイエットしているときは、家族や兄弟に甘いものを食べてたら注意するように言ってもらうとか。バイアスがかかる前提でそれを止められる環境を事前に用意しておく方法。
②遠いゴールを常に意識する
1番起こりがちなのは、将来のゴールに設定した内容を忘れてしまうこと。あるいは忘れるまではいかなくても意識が薄れてしまうこと。それを防ぐために目標設定を見えるところに常に掲げていくという方法があります。
③行動目標の根拠を書いておく
遠い未来の目標に向かって、逆算して1日の行動目標を設定していると思います。その逆算の過程を常に見えるところに明記しておきます。逆算の過程を曖昧にしてしまうと「1日ぐらいいっか!」という思考が働いてしまい、目の前の欲望に負けてしまいます。
まとめ
現在思考バイアスによって目先の利益を追ってしまうというのは止められません。人間の本能です。
だからこの記事を読んでいただいた方は、その行動は起こる前提で、その時にどう止めるか?対策を立ててみてください。
本能による感情変化を止めることは厳しいですが、感情変化による行動は抑止することができます。ぜひ実践してみてください。
コメント